今回はリスニングの瞬発力をアップするための実践的な方法をご紹介します。

その方法とは・・・ともったいぶるほどのことではないのですが、「短く区切るディクテーション」です。

ディクテーションとは、テキストを見ないで聞いたことを書き取る作業です。

この作業に関しては、「意味が無い」「効果が無い」「グリコのおまけだ」と言っている方々もいらっしゃるのですが、私はかなりリスニング上達の効果を得られたと思っています。

ただし、私が効果を得られたと思っているディクテーションには少しコツがあります。

この方法は私も人から教えてもらった方法なのですが、ポイントは短く区切りながら少しずつ長くしていくことです。

順番に説明していきます。

1・・・スクリプト、テキストをみない

まずその1ですが、ディクテーションを行う際は絶対にスクリプト、テキストといったものは見ないということを必ず守ってください。

ディクテーションは「聞こえたことを、自分が聞こえたまま書き出すことが大切」だからです。

テキストを見てしまうと、自分の聞き取った音声(自分なりに聞こえた音声)が強引に修正されてしまいます。

自分なりに英文がどう聞こえたのかを脳に蓄積していくことが大切です。

2・・・スペルが分からなければカタカナで

その2は、スペルが分からなければ「カタカナ」で書き取るようにします。

これは、最初のうちは特に大切で、分からない言葉や、分からない発音は当然ですがスペルが分かりません。

中にはスペルを忘れてしまったというものも含まれると思いますが、そのうち書き取れるようになってきますので、分からなければカタカナで、あなたが聞こえたように書き取ります。

その3・・・自分が聞き取れる長さで止める

そして、その3ですが、ここが一番重要です。

ディクテーションを行う際には、常にポーズボタンに指をかけて、英文を短く区切ってディクテーションを行ってください。


これ本当に大切です。

短い英文ならそのままでもいいかもしれませんが、長い英文を最初から1文すべて聞き取ろうとしても無理があります。

自分のレベルに合わせて、短く区切ってディクテーションを行い、その短い区切りを塊で理解できるように意識しながらディクテーションを行います。

さらに言うと、英文の区切り方にもコツがありますが最初のうちは自分なりに区切ってしまっても問題ありません。

ということで、自分が聞き取れる長さで区切るということにします。

このように短く区切るので、勝手に「ショートディクテーション」と呼んでいます。

短く区切って一時停止を何度も何度も行わなければならないので、かなり大変な作業ですが、効果があると思いますので信じて行ってみてください。

そして聞き取る長さを少しずつ長くしていきましょう。

4・・・ついでに音読しとけ

その4は、英文を聞き取ったらポーズを押してその音をそっくり真似するように音読します。

もはやディクテーションではなくリピーティングですがたいして手間ではないので音読ぐらいやっときましょう!!

これにより、英語の発音に必要な「口の形」「舌位置の確認」「のどの調整」などを行えるようになります。

つまり発音がよくなっていくわけです。

5・・・意味は英語の語順で

その5は、理解の仕方はスラッシュリーディングを行うように英語圏の人間の思考を意識して、英語の語順で理解するように心がけます。

これは英会話の勉強をしている人にとっては当たり前のことかもしれませんね。

スラッシュリーディングは別の記事で説明していますので参考になさってください。

ディクテーションを行う際の英語の速度は・・・

ディクテーションを行う際の英語の速度は、最初はゆっくりな速度から始めましょうと指導していただきました。

ですが、私の場合は最初からナチュラルスピードで行っています。

dic-speed

ゆっくりな音源が手に入りにくいということもありますが、どうせナチュラルなスピードに行き着くなら最初から慣れてしまえという考えからです。

これは人によって違うと思ったので、5つのコツの中に入れなかったのですが、私はナチュラルなスピードを聞くことで効果を得ていますので問題ないと思います。

ただ、早ければ良いというものでもないので、機械的に速度を上げたような教材で行うのはちょっとどうかと思います。

ネイティブが話す速度が一番だと思います。

ちなみに日本で販売されてる英語教材のしゃべるスピードは、ナチュラルではなく、英会話学習者向けに「ゆっくりめ」に収録されているものが多いです。

以前に「えっこの速度でナチュラルスピードじゃないの?」と少しショックを受けたことを思い出しましたね。

問題になりかねないので、ここで教材名をあげるのは避けさせていただきますが、ゆっくりの速度から慣らしていくのであれば、そういう教材からはじめるのもありかもしれません。

ディクテーションを行う流れ

これまでのことをふまえながら、実際にディクテーションを行っていきます。

リスニングに変化が感じられるまで繰り返し行ってください。

1.最初は何も見ずに何度も書いてみる

聞き取れない音もなんらかの音に聞こえるはずなので、聞こえたままにカタカナで書きだして見る、何度も聞いていると違うように聞き取れる感じになるので、何度も聞きます。

もうこれ以上同じにしか聞こえないと感じたら2に進みましょう。

2.答えをみてどこが間違ったのか、聞き取れなかったのかを確認

テキストをみてどの部分が聞き取れなかったのか、もしくはテキストどおりに聞こえなかったかを確認します。

3.上記の部分を覚える 実際に声に出して

自分で発音出来ないと聞き取れるようになりにくいので発音を真似ながらリピーティングをして声に出しながら体に覚えさせてください。

ここ注意が有るのですが、勝手に音読をすることは絶対にやめてください。

必ず音声を真似てリピーティングをお願いします。

4.もう一度ディクテーションをして進化を感じる

この瞬間で進化を感じない場合は3 のやり直しでお願いします。

これを繰り返すと、自分はどの部分の音が苦手なのか、何回聞いても聞き取れないのかが分かると思います。

次回の復讐時にはそこを意識して聞き取れるようにディクテーションをしてみるようにしたいので、苦手な箇所は自分で分かるように意識するなりチェックするなりしておいてみてください。

まとめ

 

[1] ディクテーションを行う際は絶対にスクリプト、テキストといったものは見ない。
[2] スペルが分からなければ「カタカナ」で書き取る。
[3] 常にポーズボタンに指をかけて、英文を短く区切ってディクテーションを行う。
[4] 英文を聞き取ったらポーズを押して、その音をそっくり真似するように音読する。
[5] スラッシュリーディングを行うように英語圏の人間の思考を意識して、英語の語順で理解する。

こんな感じです。

あとはあえて言うなら「しつこく」行ってください。

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リスボン
イングリッシュプラス編集部リスボン。留学経験なし。英会話教室に通った経験なし。英語を学び十数年。英語ネイティブの先生に英文法やニュアンスの質問ばかりして嫌がられています。