今回は「話す」を英語で表現した時にどのような動詞を使っていくのか、またそれらの動詞のニュアンスはどのように異なるのかをご紹介していきます。

「話す」「しゃべる」は英語ではいくつかの動詞に置き換えることができますが、私たち日本人に親しみのある動詞は”talk” “speak” “say” “tell”の4つだと思います。

これら4つの動詞は全て何かを伝達するために使う動詞ですが、一つ一つニュアンスが異なリます。

Talk:(誰かと)しゃべる、会話をするカジュアルな場面
Speak:演説するなどフォーマルな場面、深刻な場面
Say:言う、発言する、述べる(話さず文面で伝える時でも使う)
Tell:(誰かに)教える、伝える

ここでは動詞をどう使って分を組み立てればいいのかを分かりやすくするために、自動詞であるTalk・Speak、他動詞であるSay・Tellの2種類に分類して説明していきます。

Talk・Speakは自動詞なので直後に名詞が来ない

自動詞

目的語(名詞)は必要ない。直後に名詞を続ける場合前置詞が必要。
Talk・Speak

ニュアンスの前に文法を少し整理しておくと、Talk・Speakは、自動詞なので直後に名詞を置く場合、ほとんどの場合は前置詞が必要です。

※例外としてTalkは「説得する」というとき、Speakは「言語を話す」という場合に他動詞で使う場合もあります。

I talked him into buying a new house.
「私は彼を説得して家を購入させた。」
I talked her out of buying bitcoin.
「私は彼女を説得してビットコインの購入をやめさせた」
I speak English.
「私は英語を話します。」

「お互いにしゃべる」「会話をする」などカジュアルな場面で使うtalk

“talk”のコアイメージはカジュアル(インフォーマル)な場面で、誰かと「お互いにしゃべる」「会話をする」なので、誰かと話をするという場合のほとんどで使うことができます。

“talk”と“speak”に関しては大きなニュアンスの違いはなく、“talk”はカジュアルな場面、“speak”はフォーマルな場面で使うということぐらいです。

また、先ほども書きましたがTalkは自動詞なので、“I talk.”(私はしゃべる)のように目的語がなくても完結できる動詞でもあり、直後に名詞を置く場合には必ず前置詞が必要な動詞です。

ですので、“talk to A”「Aと話す」、 “talk with A”「Aと話し合う」、“talk about A”「Aについて議論する、話し合う」のように前置詞とセットで使うことが多いということも合わせて覚えておきましょう。

I talked to my brother.
「私は弟と話した。」
I talked with my husband.
「私は夫と話し合った。」
I want to talk with you about our future.
「私はあなたと私たちの将来について話をしたいです。」
We talked about a declining birthrate problem.
「私たちは少子化問題について議論をした。」

例外として「説得する」というときに使う場合は、直後に名詞を置ける。

I talked him into buying a new house.
「私は彼を説得して家を購入させた。」
I talked her out of buying bitcoin.
「私は彼女を説得してビットコインの購入をやめさせた」

「演説する」などフォーマルな場面で使うspeak

“speak”はおしゃべりをするというよりは「演説する」ような、フォーマルな場面で言葉を発するという感じです。

誰かと会話をする際に使う場合にも使え、ビジネス、真剣な話題、深刻な話題に使われているとが多いかと思います。

取引先と話すときなどフォーマルのイメージを持っておけば大丈夫です。

後で例文にも出てきますが、英語を話す、話せないなどの例文は必ず”speak”が使われてますよね。

また、”speak”も自動詞なので直後に名詞を置く場合は前置詞が必要で、“speak to A”「Aに話す」や、“speak in front of A”「Aの前で話す」のように使われることが多い動詞です。

I spoke to her.
「私は彼女に話しかけました。」
I have to speak in front of the class.
「私は授業で前に出て話す必要がある。」

※”spoke”は”speak”の過去形です。

例外として「言語を話す」というときに使う場合は、直後に名詞を置ける。

I speak English.
「私は英語を話します。」

“I speak English.”は私たち日本人の間ではかなりメジャーな例文ですが、レアケースという訳です。

自動詞として使う場合は、“I speak in English.”になりますが、意味もニュアンスもほぼ同じです。

Say・Tellは他動詞なので必ず後ろに名詞が必要

他動詞

目的語が必要。直後に名詞を続ける場合前置詞は必要ない。
Say・Tell

こちらもまずは文法を整理しておきたいのですが、Say・Tellは他動詞なので直後に前置詞なしで名詞を置くことができる動詞です。

また、“say”はSVOの第三文型、“tell”はSVOOの第四文型、SVOCの第五文型でよく使われます。

say「言う」「発言する」「述べる」

“say”は何か意見や欲求を述べる時に使い、コアイメージは「言う」です。

「話す」と同じような意味ではありますが、“Talk”や“Speak”とは違う「意見や欲求を述べる」といった、明確な違いがあるので使い分けは問題ないと思います。

また”say”は他の「話す」を表す動詞と違い、意見や欲求を口からだけでなく新聞、手紙、天気予報や表情などから伝える場合にも使うことができるので、「書いている」「書かれている」という感じでも使われます。

他動詞なので直後に名詞(目的語)を置くことができ、第三文型(SVO)でよく使われます。

He said hello to me.
「彼は私にこんにちはと言った。」
The newspaper says today’s weather is sunny.
「今日の天気は晴れだと新聞に書かれていた。」

tell「伝える」「告げる」

“tell”は誰かに話の内容を「伝える」「告げる」という意味があります。

“talk”のように誰かと会話をするというよりは誰かに何かを伝達するとう意味合いが大きいです。

そのため”tell”を使う時には聞き手が必ず必要ですが、会話をするという行為よりも何かを伝えるという話の内容に重点を置く場合に使われます。

また、“tell”は直後に名詞を置くことができる他動詞ですが、他動詞の中でも「前置詞なしで名詞を2個つなげておいていい」という特例の他動詞です。

文型で表すとSVOO(第四文型)です。

ですので“tell”はこの第四文型ととても相性がよく、S+tell+O1+O2.=「SはO1にO1を言う(伝える)」という型で多用されます。

I
主語(S)
tell
述語動詞(V)
誰(人)に
目的語(O1)
(物、事)~をする
目的語(O2)

I
主語(S)
tell
動詞(V)
you
目的語(O1)
the news
目的語(O2)

I tell you.「あなたに伝える(SVO)」だと何を伝えたい、言いたいのかが分かりません。

“tell”は話の内容を重視している動詞なので、何を伝えるかが必ずセットになり、I tell you the news.「あなたにニュースを伝える。」のようにSVOOで使います。

実践では“I have to tell her the news. ”「彼女にニュースを伝えねば」のような使い方が多いです。

また、O1は人、O2は物、事を置くと決まっているので、この順番を変えることはできません。

ですので“tell A B ”「AにB(情報)を話す」という「A(O1)←B(O2)」この向きの矢印を覚えておくといいと思います。

このタイプの他動詞は数が少なく、tellの他にask,buy,send,give,teach,show,lendなどがあり「(物や情報を)与える」という共通した意味があります。

ちなみに、学校で第四文型は第三文型に置き換えることができると習ったと思うのですが、その場合は人と物事が逆になりますが、前置詞“to”が必要になります。

“tell B to A”「AにBを話す」の形で“I told the news to you. ”「あなたにニュースを伝えた。」のように使います。

I
S
told
V
the news
O
to you
前置詞付き

ただ、ネイティブは第四文型を好んで使うので、先ほど紹介した「前置詞なしで名詞を2個つなげておいていい」という特例の他動詞たちは第三文型ではあまりネイティブには使われないと考えてしまってOKです。

第三文型で使う場合は“tell A about B””「AにBするように話す」という表現もよく使われますので合わせて覚えておきましょう。

それともう1つ、“tell”はSOVC(第五文型)でも使われます。

I
主語(S)
told
動詞(V)
him
目的語(O)
to study English
補語(C)

“tell A to do(不定詞)”「Aに~するように言う」というよく使われる形です。

実はこの形が第五文型ではなく第四文型だという議論があるのですが、ここでは第五文型として紹介しておきます。

※形さえ覚えられればどっちでもいいので

I have to tell her the news.
「彼女にニュースを伝えなければならない。」
I told the news to you.
「あなたにニュースを伝えた。」
I told you some good news.
「私はあなたに良い知らせを話した。」
I told you about some good news.
「私はあなたに良い知らせについて話した。」
I told some good news to you.
「私はあなたに良い知らせを話した。」
I told him to study English.
「私は彼に勉強するように言った。」

※told”は”tell”の過去形です。

まとめ

今回という4つの動詞のニュアンスの違いを説明してきましたが、ネットで調べると「聞き手が必要、不必要」だとか、「話す内容重視」、「内容よりも行為重視」など非常に分かりにくい説明が多いと感じたのでこの記事を書きました。

どのようなアプローチで説明するのが分かりやすいかは人によって違うと思うので、この記事の方が分かりにくかったという方もいるかもしれませんが、私はまずこれら4つのコアイメージである下記を覚えるのが分かりやすいと思います。

Talk:(誰かと)しゃべる、会話をする
Speak:一方的に言葉を発する、演説する
Say:言う、発言する、述べる(話さず文面で伝える時でも使う)
Tell:(誰かに)教える、伝える

これを覚えれば話し手が必要かどうかなんてわかりますよね。

それと、もう1つは文法です。

文法と聞くとアレルギーが出てしまう日本人は非常に多いと思いますが、”talk” “speak” “say” “tell”は自動詞と他動詞の2つに分類してから説明した方が覚えやすいと思ったのと、よくあるフレーズのパターンだけ並べられても覚えにくいと思ったので、目的語(名詞)を直後に置く場合に、前置詞が必要かそうでないかということを理解して、英文を組み立てる方法を書きました。

これを覚えておくと、よく使われるパターンをみたときにすっと頭に入ってくるはずです。

という訳でこれら4つの動詞は、みなニュアンスが違い使い方も分かれます。

場面ごとにしっかりと使い分けができるよう、しっかりと覚えておきましょう。