「私にとって」と言いたいとき、”to me”なの?”for me”なの?と迷ったことが一度はあるかと思います。

日本語ではどちらも同じ訳ですし、学校ではあまり詳しくは習わないので、なんとなくあいまいに使ってきてしまったという人も多いでしょう。

ですが、両者には明確なニュアンスの違いがありどちらを使ってもいいというわけではないので、今回、”to”と”for”の違いを明確にして、はっきりと使い分けることができるようになりましょう。

To me:は一般的な立場から考える「私にとって」
For me:は目的や目標を成し遂げるための「私にとって」

“To me”は一般的な立場から考える、「私にとって」

“to me”は、一般的な立場から考える、「私にとって」です。

例えば、”Eating is important to me.”「食事は大切です。」と言うと、特に何の理由もいらず、食事が生きていくうえで大切だと一般的に言っているのだなととらえることができます。

もちろん、自分の好みや趣味において、大切だと言っている場合にも通用します。

Eating is important to me.
「(生きていくうえで)食事は大切です。」

“For me”は目的や目標を成し遂げるための「私にとって」

一方で”for me”は、何か目的や目標を成し遂げるための「私にとって」という意味になります。

上と同じ文章で、”Eating is important for me.”とすると、体重を制限するためとか、健康を維持するためとか、何らかの明確な目標がある場合に使われます。

その目標を達成するために、食事が自分にとって大切だと言っていることになります。

なので、”for me”を使う場合は、後ろにその理由となる文章を”because”を用いてつなげます。

Eating is important for me, because to keep my weight.
「体重を保つために食事は大切です。」

“for me”の場合は、なにか理由がセットである場合に使うと覚えておきましょう。

「to me」と「for me」を入れ替えて比較してみる

同じ例文で、”to me”と”for me”を変えて見てみましょう。

To me

Friends are important to me.
「友達は私にとって大切な存在です。」

For me

Friends are important for me.
「友達は私にとって大切な存在です。」

この2つの英文は一見同じですが、”for”のほうは、ネイティブが聞くと、「何かに利用するために大切なの?」という印象を受けます。

“because”をつけて理由を言っていなくても、例えばですが、

Friends are important for me, because they have many games.
「彼らはいっぱいゲームを持ってるから、僕にとって大切なんだ。」

のように想像されるといやですよね。

また、意味が180度変わってしまう場合もあります。

To me

What did you do to her on her birthday?
「彼女に一体なにをしたの?」

For me

What did you do for her on her birthday?
「彼女の誕生日に何をしてあげたの?」

What did you do for her on her birthday?”は、”for her”なので、「彼女のために」何かをしたというニュアンスになります。

しかし一方で、”What did you do to her on her birthday?“だと、「彼女に一体なにをしたの?」という意味になってしまいます。

“to”には、利益のある「~のために」という意味が含まれていないので、このような意味になってしまいます。

会話中であれば、そんなに勘違いは生まれないかと思いますが、ネイティブが聞くと違和感のある意味になってしまうので注意したいですね。

自分の意見を述べる場合は”to me”

また、自分の意見を述べる場合に、「私にとって」ということがあります。

その場合には、”to me”を使います。

“I think/guess”や”in my opinion”などと同じ使い方ができます。

To me, my mum is the best cooker in the world.
「私にとって、お母さんの料理が一番おいしいです。」

このような使い方をする場合には、”to me”を文章の間に持ってくるのではなく、文の初めに持ってきましょう。

「for me」と「to me」の使い分けのポイントは、「何か目的があるのかどうか」

“for me”と”to me”、使い分けのポイントは、何か目的があるのかどうかです。

文章のなかでは、ほんの小さな箇所ですが、意味がガラッと変わったり、少しおかしいなと違和感を与えてしまうことがあることがわかりました。

“for”や”to”は会話中にも、文章にもいたるところにあふれています。

今までよりも少し意識しておいて、その都度使われ方と意味を考えるようにしておくと、自分も自然に使い分けられるようになります。

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リスボン
イングリッシュプラス編集部リスボン。留学経験なし。英会話教室に通った経験なし。英語を学び十数年。英語ネイティブの先生に英文法やニュアンスの質問ばかりして嫌がられています。