「go to~」は「~の(場所)へ行く」という日本人でもお馴染みの表現ですが、下記のような「get to~」表現もよく見かけると思います。
「六本木へ行く方法を教えていただけませんか?」
How can I get to the station?
「駅へはどうやって行くのですか?」
学校に行くと言いたいときは“I go to school.”なのに、なぜ道を尋ねるときには「get to~」になるのでしょうか?
また、学校に行くと表現したいときに“I get to school.”という英語も見かけません。
「私は7時に学校へ行きます。」
今回はこの「~へ行く」という意味を持つ“go to~”と“get to~”のあやふやなニュアンスの違いを明確にできるよう、まとめています。
この2つの大きなニュアンスは似ているので細かい違いを例文をあげながらご紹介していきます。
go to~:(場所に)行く
get to~:(場所に)着く、到着する
go to~「~の場所に行く(前方に進む)」
頻出英単語である“go”は中学生の早いうちに習うので、「~の(場所)へ行く」を“go to~”と覚えている人が多いと思います。
“go”のコアイメージは、「その場から離れて前方に進む」なので、目的地の前に「~の方向に向かって」という意味の前置詞“to”をつけ“go to + 場所”にすることにより、学校や会社などある特定の場所へ行く時に使います。
“go to~”はただその場所へ行くという動作を説明するニュアンスが強いので、基本的にどこかへ行く時には、どのようなシチュエーションでも“go to~”を使うことができ、日常的によく通っているような学校などの場所へ行くと表現したいときには、ほとんどの場合“go to~”が使われているはずです。
その場所への行きかたを既に知っていて何の苦労もなく行ける場所に行くという感じ。
たまに、「go to」は初めて行く場所や滅多に行かないような場所へ行く時には使わないという感じの説明をみることがありますが、初めて行く場所や苦労して行かなければいけない場所へ行く時に“go to~”を使って表しても全然通じます。
ネイティブの感覚で使わないという意味で書いている人が多いのだと思いますが、例えば下記のように学校に“the”を付けると、日常的に通っている学校に行くというよりは、何かの行事や、目的があって単発的に学校に行くという意味になります。
“I go to the school.”
ちなみに、日常的に通っている場合は、“I go to school.”です。
「私は毎日友達と一緒に学校へ行きます。」
I go to my office at 8:00.
「私は8時に会社へ行きます。」
get to~「~の場所に着く(達する)
対して“get to~”は「行く」ではなく、「~へ到着する」や「~へ達する」というニュアンスになります。
私の感覚ですと“get”は「得る」「手に入れる」というイメージが強く、「達する」という意味ではすぐに思い浮かびませんが、この場合はその場所に到達するという意味で使われています。
着くというと“arrive”が思い浮かぶ方が多いと思いますが、この場合の“get”は“arrive”に非常に近い感覚で使われています。
つまり“go to~”の違いは、「その場を離れて行く」と「その場所に到達する」という違いになるので、話の視点になっている動作自体が違うことになります。
※“go to~”の場合は「その場を離れて行く」という動作が話題の視点で、“get to~”は最終的に目的としていた場所に「着いた(到達したか)」かどうかが話題の視点。
そのためその場所に到達するにはどうすればいいのかを尋ねるフレーズと相性がいいわけです。
またどうやって行くかを尋ねる時、“go to~”を使う場合は行く手段というよりも道順を聞いていることが多いのですが、“get to~” を使う場合には道順よりもどのようにしてそこまでたどり着いたのかという手段について尋ねていることが多いです。
「私は渋滞に巻き込まれたので自分の家から駅へ2時間かかって着きました。」
Finally, I got to my new office.
「やっと私は新しい会社へ到着しました。」
このように“go to~”と“get to~”についてみていきましたが、簡単にまとめると“go to~”は行くという動きを主に表しており、“get to~”は到着するという最終的な目的を表しています。
ネイティブと話していても「~へ行く」を表す時に“go to~”ばかり使う人、“get to~”ばかり使う人など人それぞれです。
ですので、会話の中でどちらを使っても言いたいことは伝わると思いますが、話の視点がどっちなのかを考えれば細かいニュアンスが分かるということだけ頭にいれておいてください。