皆さんは「need to」「have to」「must」の意味がそれぞれ違う事をご存知ですか。
とても意味が似ているので、多くの場面でその違いを知らずに使ってしまう事もあるかもしれません。
さて、以下のA B Cを見てください。
どれも「私はお手洗いに行かなければなりません。」と訳すことができる文ですね。
私がアメリカに留学生として来た頃、長らくの間Bの“have to”が正解だと思い使っていたのですが、日常で自然に使われる文は Aの“I need to go to the bathroom.”だけなのです!
B. I have to go to the bathroom.
C. I must go to the bathroom.
さっそく、それぞれのニュアンスの違いを見てみましょう。
「need to」「have to」「must」この3つの違いを理解するためにまず注目したいのが、理由です。
「~しなければならない」という日本語に訳すことができる「need to」「have to」「must」ですが、なぜ~しなければならない、のでしょうか。
目次
1. need to
“need to”は、必要だから・大切だからしなければならない、そんな時に使われます。
〈場面1〉
もう風邪をひいて鼻もズルズル。仕事に行く元気もない。今病院に行くことが自分にとって大切だな…
「私はお医者さんに診てもらいに行かなければなりません。/診てもらいに行く必要があります。」
〈場面2〉
昨日休みを取っていたウィリアムくん、娘さんが高熱を出して大変だったらしい。休みを取ることがウィリアムくんにとって必要だったな…
「彼は昨日休みを取らなければならなかった。」
このように、“need to”は誰に言われたからではなく、単純に大切・必要だからしなければならない事柄を表すことができます。
最初に例で出した(お手洗いにいかなければならない)という状況でも、誰かに言われて行きたくなったのではなく、単純に自分が今トイレに行く必要があるため、“need to”が正しい表現となります。
2. have to/must
“have to”と“must”は、しなければ困ったことになるからしなければならない、そんな時に使われます。
〈場面1〉
ひぇぇ!あの宿題の提出期限、今週末までだった!絶対に今週末までに提出しないと単位を落としてしまう…
「私は今週末までに宿題を終えなければなりません。」
〈場面2〉
もうすぐアメリカ旅行に行く予定をしているのに、パスポートの申請を忘れていたって?パスポートが無いと出国できないよ!
「海外旅行をするためにはパスポートを持たなければなりません。」
このように、“have to”と“must”は、ただ大切だからではなく、しなければ困ったことになるからしなければならない事柄を表すことができます。
「need to」「have to」「must」のニュアンスの違いがわかったところで、次は是非気を付けたい、「need to」「have to」「must」を使った否定文を学習しましょう。
「need to」「have to」「must」を使った否定文
私は家でパーティーなどをすると、どうしても、家の中に靴で上がってきてしまう 人を素早く見つけ出して声をかけてしまう癖があります。
アメリカに住んでいても、やはり日本人の私は個人的に家の中を靴で歩かれてしまうと、胸がザワっとしてしまうものです。
さて、そんな時ドアに注意書きを張ることにしました。一番効果があるのは、ABCのうちどれでしょうか。
B.You do not have to wear shoes inside.
C.You must not wear shoes inside.
do not need to/do not have to
“do not need to”と“do not have to”は、ルールではないしあなたが判断しても良いけれど、しなくてもいいという意味を持っています。
〈例〉
「明日は土曜日。早起きしなくてもいいなんて本当に嬉しい。」
I don’t need to call my mother every night. But I always do because I know she misses me.
「毎晩お母さんに電話する必要はない。けれどお母さんが私を想ってくれていると知っているからいつも電話をするんだ。」
must not
“must not”は、「禁じられていて、してはいけない」という意味を持っています。
〈例〉
「21歳以下の人にアルコールを売ってはいけません。」
You must not make any noise at night in this apartment.
「このアパートでは夜に騒がしくしてはいけない。」
否定文の意味の違いは理解できましたか?
「しなくてもいい」と「してはいけない」紛らわしく感じますが、声に出してみると大きく意味が違いますね。
さて、家のドアに注意書きを張るとしたら、ABCのどれが一番効果があるでしょうか?という問題の答えです。
正解はCの“You must not wear shoes inside.”ですね。
「中で靴を履いてはいけません。」という訳になり、私が家の中で靴を履くことを強く禁じている様子が表されます。
こんな時にも使える!have to/must
絶対にそうに違いない
「わ!この教室はとても暑いね。エアコンが壊れているに違いない。」
ものすごく欲しい
「私は新しい自転車がものすごく欲しい。」
誇張
「絶対に私に電話して初デートがどうだったか教えて!」
I gotta
最後に、皆さんは映画や日常の会話の中で“I gotta”というフレーズを耳にしたことはありますか。
これも「~しなければならない」という意味を表す英語で、とてもカジュアルな表現のため、書き言葉ではありません。
友達同士で使うと、ちょっとネイティブに一歩近づいたような気持になってしまいます!
「帰らなくっちゃ。」
I gotta check out the movie!
「その映画、チェックしないといけないな!」