“problem”と“issue”は日本語ではほぼ同じ「問題」という意味を持っていますが、ネイティブは使用する際のニュアンスやシチュエーションをしっかりと使い分けています。
日本人が「問題」を英語に言い換える場合“No problem(問題ないよ)”から“problem”を思い浮かべる人が多いと思いますが、討論番組などの見出しで“issue”が使われていることにお気づきの方も多いと思います。
※“question”を思い浮かべる人もいるかもしれませんが意味が全く違いますので別の記事で。
Problem:「解決できる問題」
Issue:「議論するべき問題」
例文を挙げながら2つの違いについてご説明していきます。
「解決できる問題」“problem”
“problem”は「解決できる問題」を言い表すときに使われ個人的なことだけでなく、組織で起きた問題に対してなど幅広く使われています。
基本的に解決できるような問題に対してのみで、最終的に答えが出るとされている問題に対して使われ、答えが出る見通しのない問題に対しては使われません。
例えば、友人との間に何か問題が起こった場合や何か解決できるような問題を投げかける時には“problem”を使います。
「私は親友との間に問題があります。」
What do you think about our problems?
「あなたは私たちの問題についてどう思いますか?」
ちなみによく使われる“No problem!”は解決されるべき問題が特にないという訳から「大丈夫!」という意味で使われます。
また、個人的な問題について表したいときには“problem”よりも“trouble”を使うことが多いです。
「議論するべき問題」“issue”
“issue”には「問題」以外にも「論点」「争点」という意味があり「議論すべき問題」を言い表すときに使われます。
“issue”も“problem”と同様に「問題」という意味がありますが、“issue”の場合はその問題が解決できるかできないかではなく、議論すべき問題なのかということが重要なので、あえて日本語にするなら「問題点」です。
とにかく問題を議論するかというところが大切だということを覚えておくといいかと思います。
そのため個人的な問題よりも問題のスケールが大きい社会問題や政治問題などによく使われます。
例えば環境問題について考えるという文を作る時や“problem”と同じように何か問題を投げかける時にも使います。
「私たちは環境問題について考えなければいけません。 」
What do you think about this issue?
「この問題についてあなたはどう思いますか?」
このように“problem”と“issue”についてみてきましたが、簡単にまとめると“problem”は解決すべき問題を表しており、大事なのはその問題が解決されるべきであるということです。
また“issue”は議論される問題を表しており、解決して答えを出すということよりもその問題について議論することが大事です。
同じ「問題」という意味でも使う上では多少異なるニュアンスの違いがあります。
感覚で(瞬間的に)使いわけをすることができるよう、それぞれの使う時のシチュエーションを頭に入れておきましょう。
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- 元子供向け英会話教室の講師。アメリカ留学経験あり。現在は子育てをしながら記事を書いています。
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