“start”と“begin”は二つとも「始まる」「始める」という意味がありますが、実際にこの単語を使い分けようとすると結構迷うと思います。

“start”と“begin”では基本的にニュアンスはあまり変わらなので入れ替えができる単語ではありますが、使う場面などで多少の違いがあるので、どのように異なるのかを順番に見ていきましょう。

基本的に“start”と“begin”は入れ替え可能な動詞であるが、“begin”は機械を起動する場合、また事業を起業するときには“begin”は使えない。

start

start

start:止まっていたものが動き出すイメージ。対義語は“stop”

“start”はカジュアルな場面で使うことが多い単語で、普段の生活の中で何かを始める時に使います。

何かを始めると言っても、0から始めるのではなく今まで止まっていた物ややめていた事を再始動するニュアンスが含まれています。

“start”は飾らない場面で使い、さらに何かを再開する時に使う単語と覚えておくと良いと思います。

例えば、部屋の掃除を始める時、宿題をやり始める時や習い事が始まる時など日常生活で使用します。

ちなみに、“start”の対義語は“stop”になります。

これはゲーム機などでスタートボタンとストップボタンが対になっているのを見かけることがあるので、覚えやすいのではないかと思います。

Let’s start to clean up our room!
「私たちの部屋の掃除を始めましょう!」
I just started to do my homework.
「私はちょうど宿題をやり始めたところです。」
My piano class will start at 6:30.
「私のピアノ教室は6時30分から始まります。」

また“start”は動名詞も不定詞も取れるので、直後の目的語の位置にはing形もto不定詞も置くことができ、意味も変わりませんので、どちらを持ってきても大きく異なるニュアンスの違いはありません。

細かい説明をするのであればto不定詞はちょうど始めたという事実を表すのに対し、ing形の方はしばらくその事を続けて行なっているというイメージがあります。

begin

begin

begin:一歩踏み出すイメージ。対義語は“end”

“begin”は少しかしこまった場面で使うことが多い単語です。

普段の生活の中で使うというよりは会社や何かの行事などフォーマルな場面で使うことが多く、より硬い表現である“commence”という単語と入れ替えて使うことも可能です。

また、“start”のように再開ではなく、ある事や行動を今から始めると行ったシチュエーションで使いますので、会議が始まる時や入社式などのイベントを始める時、また、習い事でも初めてその日から通い始める場合には“begin”を使います。

ちなみに“begin”の対義語は“end”になります。

併せて覚えておくと便利かと思います。

また、機械を起動する場合、また事業を起業するときには“begin”は使えません。

The meeting will begin at 7:00.
「会議は7時に始まる予定です。」
Let’s begin the initiation ceremony soon!
「そろそろ入社式を始めましょう!」
I began to go to the piano class yesterday.
「私は昨日ピアノ教室に通い始めました。」

“begin”も“start”と同様に動名詞も不定詞も取ることができる動詞なので、目的語の位置にing形もto不定詞もどちらも置くことが可能です。

意味としてはどちらも同じですが、to不定詞は何かし始めたとうニュアンス、一方ing形は始めてまだその事が続いているというニュアンスが含まれます。

“starter”と“beginner” から分かること

starter:エンジンスターター
beginner:初心者

“start”と“begin”とビギンのイメージを感じるための例としてよく使われるのが、“starter”と“beginner”です。

“starter”は“start”を「~する人」に変化させた言い方で、エンジンスターターなどを指し、“beginner”は“begin”を「~する人」に変化させた言い方で、初心者を指します。

この変化させた形で比べてみるとなんとなく使われ方の違いを感じることが出来ますよね。

“stop”と“end”から分かること

基本的に“start”と“begin”は入れ替えて使うことができるぐらい近い動詞ですが、“start”しか使えない場面があります。

※機械を起動するとき、事業を起業するとき“begin”は使えません。

このうち機械に関してはは対義語の“stop”と“end”を当てはめてみると分かりやすいと思います。

機械を起動する:start⇒stop

The engine won’t stop.
「エンジンが止まりません。」

これをendに置き換えてみます。

The engine won’t end.

これエンジンが終わるみたいな感じで、なんかおかしいですよね。

車の始動、FAXの電源オン、ゲームの電源オン、PCの始動などに当てはめてみてください。

“stop”と“end”は既に日本語と言ってもいいぐらいの言葉になっているので、そのままの感覚で使ってしまってOKです。

事業を起業する:start⇒stop

I’m going to start a new business.
「起業します。」

起業する場合も“begin”は使えないのですが、会社をやめるときはなんとなく失敗して終わってしまうイメージがあり“end”も使えそうに感じてしまうので、これは特例として覚えるようにしました。

まとめると

書き出したら意外と分かりにくくなってしまったので、最後にまとめておきます。

  • “start”と“begin”はほとんどの場合入れ替え可能
  • 例外として機械を起動、事業を起業の場合“begin”は使えない。
  • 日常会話では“start”がよく使われる。
  • カジュアルな場面では“start”、フォーマルな場面では“begin”が使われる。