“understand”と“make sense”は、どちらとも「理解する」という意味で使う英語ですが、日本語訳でのニュアンスが決定的に異なります。

この記事を読んでいただければより深く違いを理解していただけますが、英文で比較すれば一瞬で分かりますので、まずはポイントをご覧ください。

Do you understand?
「(私が言ってること)分かってるの?」
I understand.
「承知しました。」
Does it make sense?
「(私の言ってる)意味分かる?」
That makes sense.
「なるほどー。」

両者の日本語訳からなんとなく想像がつくかと思いますが、“make sense”が言っている意味が理解出きるかどうかをただ単に確認しているのに対し、“understand”は、ただ単に話の意味が分かるかどうかを聞いているのではなく、話し手の意図することが伝わったかどうかを聞いているわけです。

“make sense”は英語の先生が「確認」のために聞いている感じで、“understand”はお母さんが子供に諭すときに使うイメージです。

“Does it make sense(so far)?”は「ここまで大丈夫ですか?(ついてこれてますか?)」と言う感じで、実際にネイティブの先生によく聞かれる質問ですので、ココで今すぐ覚えてしまいましょう。

では、実際に使うシチュエーションを一緒に挙げて2つの違いをみていきたいと思います。

意図することが伝わったか?を意味する“understand”

“understand”には「理解する」「分かる」以外にも「把握する」という意味があるのですが、学校ではただ単に「理解する」という意味として学ぶことが多いと思います。

実際に会話の中で使う際にも何かしらの「状況」や「人の気持ち」などを理解した時に“I understand.”という文で表現し、かなり幅広いニュアンスで使うことができます。

今理解したよ!というニュアンスで使うことが多いので、基本的に現在形で使われます。

過去形で“I understood.”と言うことも可能ですが、この場合、前は理解していたけど今はよくわからないといったニュアンスになるので注意が必要です。

日本語の感覚だと、そういうことね!わかった!と過去形で使いたくなってしまいますが、英語では過去形で表現してしまうと本当に理解しているのかと思われてしまうので気を付けましょう。

また、“I understand.”はフォーマルな場面でも使えますので、「承知しました」と答える場合は“I understand.”でOKです。

Mom: Please clean up your room!! Do you understand?
「お母さん:部屋を片付けなさい!!わかる?」
Kid: Yes, Mom. I understand.
「子供:はい。わかりました。」

しかしこれを過去形にしてしまうとこのようになります。

Mom: Please clean up your room!! Do you understand?
「お母さん:部屋を片付けなさい!!わかる?」
Kid: Yes, Mom. I understood.
「子供:はい。わかりました。」
Mom: Are you sure?
「お母さん:本当に?」

“I understood.”にしてしまうとちゃんと言っていることがわかっているの?とさらに叱られてしまう可能性もあるので気を付けてくださいね。

ちなみに“understand”は基本的には主語に人をもってきます。

意味わかる?を意味する“make sense”

“make sense”には「意味をなす」や「道理にかなう」「つじつまがあう」という意味があり、状況理解という点では“understand”と同じです。

ですが“understand”が相手の言っていることや状況を自分の中でしっかりと理解した時に使うのに対し、“make sense”は状況把握し、なるほど辻褄が合うねと相槌をうつ感じで使います。

“I understand.”は状況を理解し、さらにその状況に対して賛成または肯定的な考えを持っている意思表示として使いますが、“make sense”は状況を理解しているが、その状況に対して賛成や肯定的な考え方を特に持っていない時に使います。

あくまでも相手の意見や状況を理解しているだけで、自分の考えはまた別ということがポイントです。

例えば授業の中で説明し終えた問題について生徒がきちんと理解しているのか確認するときなどによく使われ、さらにその受け答えとしても、自分の意見はともあれ、その問題は理解したという意味で“make sense”を使って表現します。

Teacher: That’s the question’s answer. Make sense?
「先生:その問題の答えです。わかった?」
Student: That makes sense.
「生徒:なるほど、わかりました。」

ちなみに“make sense”は「事」「物」に対する理解なので、主語には“That”や“It”がくることが多いです。

冒頭でも書きましたが、“Does it make sense?”と先生に聞かれたら、教えてもらっている英語について「分かりましたか?」という意味ですので、理解できたかできなかったかしっかりと答えましょう。。

ただし、“NO”の際、“No, It doesn’t make sence.”と言ってしまうと、「理屈がおかしい」、「筋が通っていない」と相手の説明を否定するニュアンスにとらえられると面倒なので、“Sorry”が無難だと思います。

Yes, that makes sense.
「はい、理解できました。」
Thank you for the clarification.
「説明ありがとうございました。」
No, It doesn’t make sence.
「いいえ、理解できません(理にかなっていません)。」

会話の中で内容を瞬時に理解してどちらを使うかを選択することはとても難しいですが、少しずつ理解を深めてみてください。

ネイティブの方は“make sense”を相槌として使っていることが多いので、なるほどねと日本語でいう感覚で使ってみるといいかもしれません。